就業規則作成・改訂

就業規則とは

就業規則は、会社と従業員を結ぶ重要な決め事です。

従業員の動労時間、休日、ルール違反による罰則などの「労働条件」について会社と約束します。そこで、会社で働くすべての人に共通する労働条件を1つにまとめ、集団的な約束内容としてまとめたものが「就業規則」です。

就業規則の作成・改訂

就業規則の作成・改訂につきましては、こちらより当事務所までご相談下さい。

就業規則がないとできないこと

就業規則は以下のような理由から必要となります。

1)時間外労働や休日労働を命じることができない

 36協定の締結・労働基準監督署への届出は、労働基準法で禁止されている時間外労働や休日労働について、禁止を解除する役目を負うにすぎません(これを免罰効果といいます)。実際に時間外労働や休日労働を従業員に命じるためには、就業規則(あるいは、雇用契約書でもかまいません)に別途こうした業務命令を行うことがある旨の規定が必要です。

2)懲戒処分を行うことができない

就業規則(あるいは、雇用契約書でもかまいません)に懲戒事由の定めがないと、懲戒処分を行うことができません。

3)転勤等の人事異動を命じることができない

転勤等の人事異動を命じることは、企業が従業員に対して普通に行っていることですが、これも就業規則(あるいは、雇用契約書でもかまいません)に規定がないと、基本的に行うことはできません(従業員の個別の同意があれば可能です)。

4)振替休日や代休を与えることができない

法定休日に労働を命じ、別の日を法定休日とすることを「休日の振り替え」と呼び、法定休日に労働を命じた後に休日を与えることを「代休」と呼びます。

就業規則に振替休日や代休の規定がないと、これらの取扱いを行うことはできません。

就業規則の限界

就業規則は「会社のルールブック」と言われますが、就業規則があれば何でもできるのでしょうか。

答えは「いいえ」です。
就業規則に規定を設けたとしても、以下のようなことはできません。

1)法律に違反することはできない

 労働基準法第92条第1項には、「就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。」という規定が設けられていますので、就業規則は労働基準法に反する内容とすることはできません。

例えば、労働基準法で1日の所定労働時間の上限は8時間とされていますので、就業規則に「我が社の所定労働時間は8時間とする。」というような規定を設けることはできません。

2)残業代を払わなくてもよい、ということにはならない

 例えば、「我が社はフレックスタイム制や変形労働時間制を採用しているため、時間外手当は支払わなくてもよい。」ということにはならない、ということを意味します。

「ある一定の要件の元に残業代を支払わなくてもよい」という制度はありますが、この要件を満たすためには、しっかりとした制度の導入(就業規則の整備)と運用が求められることになります。

3)管理監督者に対する残業代の支払い義務はなくならない

 就業規則には、一般的に、管理監督者には時間外・休日労働の割増賃金は支払わない旨の規定を設けます。ただし、労働基準法の管理監督者に該当するかどうかという点については、就業規則のどのような規定が設けられているかということではなく、あくまで実態で判断されますので、就業規則に管理監督者の範囲をしっかり定めたとしても、割増賃金の支払い義務の有無とは関係がないということになります。

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